二期会の「ナクソス島のアリアドネ」、公演無事に終わりました。
私にとってこの公演は、ある意味自分の人生の中でも大事な公演でした。
まずは、今回の作品が二期会でのデビューになるということ。二期会の研究生になってから、苦節10年、会員に昇格してから4年。この間に、プライベートでも波乱万丈、いろんなことがあったし、歌に関してもいっぱい悩んで、何度やめようと思ったか分からないし・・・。
それから、もう一つの喜びは、何といっても大好きなシュトラウスの音楽に浸れるということ・・・。
Vorspielが終わって、慌しくかつらをつけた後、後半のオペラは板付き。幕の開く前の舞台でカーテン越しに聞こえてくるシュトラウスの旋律の美しさにジーンとなって。
そして、今回のプロダクションでは、新進気鋭、ベテラン、いい意味で個性あふれた共演者に恵まれて、音楽的にも、お互いを尊重しあい、自分の力を大いに発揮する、そんな姿勢にいっぱい刺激を受けました。
もう一つ、想定外の感動は、東京文化会館。いつも観客として通いなれているものの、私にとってこの大ホールの舞台を踏むのは初めての経験で、舞台裏の落書きの歴史の重みにじーんときてしまいました・・・。
国内外の文化遺産への落書き事件が話題になったけど、ここだけは落書き自体が文化遺産・・・。
当日の感想、チケットを買ってくださった方々に聞いてみました。
前半の部分で、執事の「9時に花火が上がるので、それまでに(オペラを)終わらせなければならないのじゃ」という台詞があるので、最後に花火が上がるのを期待していたんだけど・・・という意見が結構多かったかな・・・。
実は私も稽古中ちょっと思ったのですが、花火が上がるまでにオペラを終えた・・・つまり、このオペラが終わった時点ではまだ9時になっていない、もしくは文化会館の上で上がっていた(みんな劇場の中にいるから気づかない)という解釈はいかがでしょうか・・・(と私は勝手に思ってます)。
一番嬉しかったのは、殆どの方が「結構楽しめたよ」といってくださったことです。
何故でしょう・・・「楽しかった」といわれることが、「上手ですね」といわれるより何万倍も嬉しいのは・・・。
ナヤーデ(水の精)役
かつらを外すと、包帯でぐるぐる巻き。
一幕はその状態で出演でした。
モエヤンを髣髴とさせるその包帯ぐるぐる巻き。
ヘアメークさんが一言。「ほうら、きゅっとしまった小顔でしょ」。
2日目の終演後。
マエストロと奥様と。
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